"ふつうの人"って、どんな人でしょうか? どんな時代の、どんな場所でも通用する定義はできるでしょうか? 現代社会のなかで私たちがとらわれる"ふつう"という言葉の意味を、ヒトという生物の進化の観点から問い直すセッションです。今回お招きするのは、ヒトの進化についてゲノムレベルから研究している進化生物学者の颯田葉子氏と、障害と現代社会をめぐる課題にとりくむ研究者であり、脳性麻痺の当事者でもある熊谷晋一郎氏です。 私たち生物は、世代を超えて遺伝子や性質を変化させていきます。生き残るのに有利な遺伝子は、多くの子孫に受け継がれることで個体数を増やし、その社会の多数派になりやすくなります。すると遺伝性の疾患になりやすい人は少数派になりそうですが、実際はそうとも限りません。たとえば現代人全体でみると、統合失調症を発症するリスクの高い型が多数派を占める遺伝子の存在が確認されています。颯田氏の研究グループは、ヒトの祖先が持っていたのもこの高リスク型であることを見出しました。このような場合、高リスク型を祖先から引き継いだ多数派が"ふつうの人"なのでしょうか? この回では、まず颯田氏よりヒトの進化について、最新の研究成果を交えてお話しいただきます。それを受けての熊谷氏との対談を通して、私たちの"ふつう"の根拠を問いながら、同時に"ふつう"と表裏一体をなす"障害"という概念をも問い直していきます。多様な人々が共生する社会の構築に向けて、先端科学の知見をベースに議論します。 このトークセッションは、2018年10月27日(土)に実施した、「"ふつうの人"は科学で定義できるのか?」<ゲノム解析編>との2回シリーズです。続き物ではありませんので、それぞれ1回ずつでもお楽しみいただけます。 前回のイベントの様子は、youtubeでご覧いただけます。
https://youtu.be/FqHvLvUaO40※コミュニケーション支援として音声認識字幕を表示します。 【講師紹介】 颯田葉子氏(総合研究大学院大学 先導科学研究科 教授)
1961年生まれ。1986年お茶の水女子大学理学研究科修了。1990年理学博士(九州大学)。専門は、進化生理学、ゲノム進化学。とくに免疫に関する研究と、ヒトの進化に関する研究を展開している。 熊谷晋一郎氏(東京大学 先端科学技術研究センター 准教授)
1961年生まれ。1986年お茶の水女子大学理学研究科修了。1990年理学博士(九州大学)。専門は、進化生理学、ゲノム進化学。とくに免疫に関する研究と、ヒトの進化に関する研究を展開している。 企画・ファシリテーション
山本朋範 (日本科学未来館 科学コミュニケーター) 【開催日時】2019年2月10日(日) 14:30~16:00 ※受付は会場入口で行います。
※14:30の時点で空席がある場合、当日参加者にお座りいただきます。申込みをされても14:30を過ぎてご来場の場合は立ち見席となる可能性があることをご了承ください。 【開催場所】日本科学未来館 5階 コ・スタジオ 【対象】対どなたでも 【定員】50名 【参加費】入館料のみ 【申込方法】WEBによる申込、先着順。下記の申込みフォーム」リンクよりお申込みください。2名以上の場合は、お手数ですが1名ずつお申込みください。定員に達し次第募集を締め切ります。 申込みフォーム 【申込期間】2019年1月17日(木) ~ 2019年2月8日(金)12:00 【主催】日本科学未来館
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開催期間2019-02-10 ~ 2019-02-10
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開催場所日本科学未来館
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ウェブサイト
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お問合せ先日本科学未来館(代表)
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お問合せ先【電話番号】03-3570-9151